遺産相続

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遺産相続

相続人の数と配分で決まる

遺産相続とは、亡くなった人の遺産をその配偶者や子供、あるいはその他の人が受け継ぐことをいいます。
亡くなった人を「被相続人」といい、遺産を受け取る人を「相続人」といいます。

開始時に相続人が複数いる場合は、全ての遺産は全員の共有となり、遺産分割が決まるまで、1人でかってに遺産を処分することはできません。

手続きにおいては、遺産の分割を全員で、話し合って決めなければなりません。以下の3つのことをおさえておきましょう。

1.誰が相続人なのか

まず、相続人は誰なのかを確定することが必要になります。このとき遺言書が残っているかどうかが重要です。遺言書があり、そこに遺産の分割が記載されているときは、民法で決められた規定よりも優先されます。これは、故人の意思を尊重しようという考え方があるからです。ただし、遺言書の内容があまりにも相続人への配慮や不利益がある場合は、遺留分減殺請求をすることができます。つまり、遺言書を優先しながらも、最低限の相続分は保障される制度になっています。 また、遺言書がないときは、法定相続人が民法で定められた割合で、遺産を継承することになります。 ※詳細→Q4 それぞれの「相続分」は?

2.遺産を継承するかどうかを決める

相続発生後、遺産の調査、把握をしておかなければなりません。遺産には、預貯金、不動産、美術品などの他に、銀行へのローン返済や友人への借金なども全て含まれますので、これらを全てまとめた”財産目録”が必要になってきます。

権利者は、この財産目録を確認して、次の3つの中から、自由に選ぶことができます。
※詳細→Q7 死亡した父の借金も相続しなければいけないの?

  • ・単純承認 ・・・ 遺産全てを受け取る
  • ・限定承認 ・・・ 条件付で遺産を受け取る
  • ・相続放棄 ・・・ 権利を放棄して遺産を受け取らない
3.遺産分割の話し合い

全員で遺産分割協議をして、どのように配分するかを決めます。民法でも、”法定相続分”という配分の割合が定められていますが、この遺産分割協議の方を優先しています。

例えば、配偶者と長男、長女が相続人の場合、民法では配偶者1/2、長男1/4、長女1/4の配分ですが、遺産分割協議によって配偶者が全て、遺産を受け取ることも可能です。

また、分割協議で合意できない場合は、家庭裁判所による遺産分割調停・審判で解決することになります。

 

遺産相続はどのような流れで行うのでしょうか?
【 手続スケジュール 】
市区町村へ死亡届を提出します。
社会保険事務所で手続をします。
保険証券を用意の上、保険金受取人から保険会社へ請求します。
除籍謄本等より調査し、相続人を確定します。
家庭裁判所に申述する必要があります。
年金や不動産所得があった方は4ヶ月以内に申告の必要があります。
預貯金、有価証券、不動産、債務等を調査して財産目録を作成します。
遺言書がない場合は全員で遺産分割協議を行うことができます。
金融機関へ除籍謄本等を提出し、換金・名義変更を行います。
ローン等がある場合は、金融機関に相談の上、承継手続を行います。
不動産の所有権を相続人へ名義変更します。
10ヶ月以内に申告・納付します。
延納、物納を申請することができる場合もあります。

上記の手続には書類の提出が求められます。
確認しましょう。

(1)被相続人
  改製原戸籍謄本、除籍謄本、住民票除票又は戸籍の附票
(2)相続人
  戸籍謄本、住民票、印鑑証明書
(3)不動産
  登記簿謄本
  権利証(登記識別情報)
  不動産賃貸借契約書
  公図
  固定資産評価証明書
(4)金融資産関係
  通帳
  預貯金・信託等の証書
  株券・公社債等の現物または預り証
(5)その他財産関係
  生命保険契約書
  死亡退職金等支払通知書
  ゴルフ会員権
  貸付金契約証書
  自動車検査証
(6)借入金・未払い公租公課・葬式費用等
  借入金契約書
  葬式費用請求書・領収書
  固定資産税及び住民税等の納付書
(7)その他
  遺言書
  遺産分割協議書

ポイント紹介
円満に協議ができますか?
  • ・相続人のうちの一人が多くの財産を取得したいと主張している
  • ・親族間の仲が悪い
  • ・過去に財産の贈与を受けている

上記のような場合、円満な分割協議は難しい場合があります。
そして分割協議がこじれてしまった場合、多くは家庭裁判へと協議の場が移行します。
こうなってしまうと解決には時間がかかりますし(6ヶ月を超えるものが全体の半数以上)、何より当事者同士の関係がこじれてしまいます。
当事者の間の雰囲気が悪く、「こじれてしまうだろう」と予測される場合は、できるだけ早めにクローバー司法書士事務所へ相談されることをお勧めします。

分け合える財産ですか?
  • ・財産の大半が不動産で公平に分割できない
  • ・同族会社の株式が多く、分割できない

協議の結果「公平に分割しよう」となったとしても、不動産や同族株式の場合は分割が難しく、誰もが納得できるような配分は期待できません。
遺産を分割できる状態にするのが理想的ですが、そうもいかない場合もあるでしょう。

相続税は支払うものですか?

相続が発生すると、必ず税金を支払わなければならないと思われていませんか?
実は、税金は一定の額を超えるケースのみ支払えばいいのです。

その額は、

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→ これを基礎控除額といいます。
この額を超えなければ、相続税はかかりません。
仮にもし超えたとしても、

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となるのです。
また、配偶者には、軽減措置があります。
配偶者の取得した金額が「法定相続分まで」か「1億6,000万円まで」であれば納める税金はありません。
早い段階から概算の税額の確認をするのがいいでしょう。

申告期限に間に合いますか?

申告時期に関しては、

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上記までに、被相続人の住所地の所轄税務署に申告する必要があります。
意外と長いかと思われがちですが、相続に関して行うべきことは数多く、10ヶ月はあっという間に過ぎてしまいます。
相続が発生した段階で、すぐさま専門家に相談された方がよいでしょう。

また、申告しないでいると、税務署から法定通知があり、徴収額に対し、無申告加算税や延滞税等が課せられ、その額もバカになりません。

上記のように、手続は、すぐにでも行わなければ、本来なら支払わなくてもよい加算税が課せられます。

遺産相続税は安くできるの?

遺産相続した不動産の評価を下げれば節税できます。

財産がある人の相続者にとっては、税金は大きな課題でしょう。
もう少し税率が安くなればと誰もが思っています。
しかし、税金を安くすること不可能ではありません。
不動産の評価を下げれば、納税額を下げることができます。
不動産のうち、土地の評価の仕方はひとつではなく、いくつかの方法があります。不動産自体の状態も違うように、一つ一つの評価や価値が違って当然といえます。

遺産の相続税が課税される場合

課税されるのは、原則として相続税の課税対象となる純資産の科学の合計額が遺産にかかる基礎控除額を超える場合です。

遺産相続に係る基礎控除額の計算

課税遺産相続-(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)

遺産がこの基礎控除額以下である場合には課税がないことになります。

遺産相続税の控除

【1】 配偶者の負担軽減制度
これは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際にもらった正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に税金がかからない制度です。

(1) 1億6,000万円
(2) 配偶者の法定相続分相当額
ただし、この制度を利用するためには、原則として10ヶ月以内に遺産分割今日を完了させて、申告と納付を済ませておかなければなりません。

【2】 未成年控除制度
未成年者がいる場合は、未成年が20歳に達するまでの年数1年につき、6万円が控除されます。

【3】 贈与税額控除
贈与税額控除とは、贈与税と相続税の二重課税を防止するために設けられている規定です。相続開始前3年以内の贈与財産は、相続税の対象として加算されますが、贈与税を既に支払っている場合には相続税から控除できます。他にも、障害者控除・相次相続控除・外国税額控除などがあります。

遺産相続された土地家屋の相続評価

(1)土地
取得した不動産が土地の場合、もととなる価格は、路線価方式と倍率方法式のどちらかで評価します。どちらで評価するかは、所在地によって決められています。

(2)家屋
取得した不動産が家屋の場合、もととなる評価額は、固定資産評価額と同じです。

(3)借地権
取得した借地権のもととなる価格は、宅地の通常の評価額に借地権割合をかけます。借地権割合は国税局で定められていて、路線価図の地域区分によって決まります。

相続による不動産取得税

売買や贈与などによって不動産を取得した人は、不動産取得税を支払わなければなりませんが、遺産相続による取得には相続税はかかりますが、不動産取得税はかかりません。

不動産を売却したときの税金

(1)単純承認で不動産を相続した場合
取得日・取得価額は被相続人がその不動産を取得した日、取得価額を引き継ぐことになります。従って、資産を取得した日から、資産を譲渡した日が、5年を超える場合は、長期譲渡取得として、所得税率20%が適用され、5年以内の場合は、短期譲渡所得として、所得税率40%が適用されることになります。なお、取得価額が不明の場合は、譲渡価額の5%を取得価額とみなして、計算することになります。

(2)限定承認で不動産を相続した場合
取得日については、相続により資産を実際に取得した日が取得日になります。取得価額については、発生日(取得日)の時価をもととして計算することになります。

専門家に依頼する!

手続の煩雑さを考えると、専門家に相談したくなるでしょう。

いつもお世話になっている司法書士や税理士に頼もうと考えていませんか?

こういった専門家にも得意不得意があります。最善の方法で手続を進めたいとお考えなら、相続の分野に積極的に取り組んでいる専門家に依頼することをお勧めします。

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