今は少なくなりましたが、会社法に定められた持分会社の一種類で、合名会社、合資会社という会社があります。
簡単に説明をすると、合名会社は無限責任社員のみで構成された会社で、合資会社は無限責任社員と有限責任社員で構成された会社のことです。

このうち、無限責任社員とは、会社が債務や借金をを支払えなくなってしまった時には、
その責任を無限に負担する社員のことで、つまり、会社が1億円の負債を抱えてしまった場合、
会社がその1億円の支払いができない時には、無限責任社員が1億円を支払う必要があります。

無限責任社員が死亡した場合

1.一度、その相続人が法定相続分に従い、無限責任社員の地位を引継ます。
2.遺産分割協議(および無限責任社員の持分の譲渡)により、一部の相続人が
  無限責任社員たる地位を承継します。

例) 合名会社   甲
   無限責任社員 A 
   無限背金社員 B  

   の2名で構成されてる合名会社甲の
  
   無限責任社員A が死亡し、その相続人はXとYの2名の場合で、
   遺産分割協議により、その相続財産をXのみが取得した場合

1.一度、XとYがAの無限責任社員の地位を法定相続分で承継します。
2.後日、遺産分割協議により、Aの相続財産をXのみが取得
   (Aの無限責任社員の地位もXのみが取得)

この場合、合名会社甲の債権者は、Aの相続財産を取得しなかったYに対しても、
合名会社甲の債務の支払いを無限に請求することができることになってしまいます。

これは、Aの無限責任社員の地位を、一度XYがそれぞれ相続し、
その後、遺産分割協議によってYの持分をXが取得したという考え方に基づくものです。

この場合、Yが合名会社甲の債務の支払いを免れる方法としては、
相続放棄をする方法が考えられます。

相続放棄をしておけば、初めからAの相続人ではなかったものと扱われるため、
合名会社甲の債務の支払い義務はなくなります。

今では数が少なくなってきた、合名会社、合資会社ですが、
無限責任社員を相続する際には、注意が必要です。